著者:原田マハ 出版社:PHP文芸文庫 発売日:2018年03月22日 ページ数:421p あらすじ 画廊の専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂。出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留している。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂、気分転換に出かけた老舗…
2024年12月19日(木)、東京に雪が降った。最低気温は何度なんだ?と思うほど、痛みを伴う寒さが身体を締め付ける。こんな日はユトリロの絵を観るのにふさわしい。 町田で昼ごはんに「おやじラーメン」を食べたあと、バスに乗って美術館を目指す。あまりのバ…
著者:原田マハ 出版社:集英社新書 発売日:2017年06月21日 ページ数:253p あらすじ 原田マハが自身の人生に影響を与えた絵画、美術史の転換となった絵画26枚を紹介する。アヴィニヨンの娘たち(パブロ・ピカソ)/秘儀荘「ディオニュソスの秘儀」(作者不…
著者:原田マハ 出版社:集英社 発売日:2015年6月30 ページ数:288P あらすじ 4編からなる短編集。うつくしい墓/エトワール/タンギー爺さん/ジヴェルニーの食卓。モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。4人の画家と生きた女性の視点を主人公に、絵描きが何と…
日本は世界一の美術大国。47都道府県に美術館があり、財力があるから所蔵する絵画もすごい。石を投げれば名画にあたる。そんな日本全国の美術館の中から北海道から福岡までランキング形式で紹介する。 第1位:東京富士美術館 第2位:ひろしま美術館 第3位:…
「エコール・ド・パリ(巴里派)」「 パントル・ナイーフ(素朴派)」「キュビズム(立体派)など、西洋アートには素晴らしきキャッチコピーが多い。いずれもパリが発信源となっており、そのパリを麗しく表したのが「 ベル・エポック(美しき時代)」である…
著者:原田マハ 出版社:文藝春秋 発売日:2019年05月 ページ数:441P あらすじ 日本に美術館を造りたいという夢を追いかけ、生涯を懸けた松方幸次郎や日置三郎を主人公とした国立西洋美術館の誕生を描いたアート小説。美術館のために収集し、第二次大戦の敗…
《長岡の花火》貼り絵, 1950年 原題:長岡の花火 作者:山下清 制作:1950年(昭和25年) 寸法:32x44cm 所蔵:不明 放浪の画家・山下清の最高傑作《長岡の花火》。この絵の前に立ったとき、涙が出そうになった。クロード・モネ《印象、日の出》やフィンセン…
新宿の摩天楼に暮らしていると、高層ビルや空を見上げてばかり。つい足元を失ってしまう。40歳を超えてからトイレに行く回数が増えた。昔はトイレに居るひとりの時間が好きだった。8年前にエヴェレストに1ヶ月いたときは、下山して何より感動したのがホテル…
《ひまわり》ゴッホ、1888年 原題:Les Tournesols(フランス語) 作者:フィンセント・ファン・ゴッホ 制作:1888年 寸法:100.5×76.5 所蔵:SOMPO美術館 世界に点在する《ひまわり》の中でも最高傑作。 向日葵や桜を花瓶に生けたゴッホ。花も野菜と同じく…
芸術の秋と誰が呼んだか。上野には秋が似合う。日本最大のアートシティ。石を投げれば美術館にあたり、町のレンタカー屋さんにも企画展のポスターが壁を奪い合うようにペタペタ貼られている。日本屈指の絵画公園の雄が東京都美術館、そして国立西洋美術館。…
「カナレットとヴェネツィアの輝き」が2024年10月12日から 12月28日まで新宿のSOMPO美術館で開催。18世紀のヴェネツィアの風景画を中心に約60点を展示。そのうちカナレットの作品は約20点。この美術展は静岡から始まり、新宿、京都、山口を巡回する。 静岡県…
「広島」や「ヒロシマ」は眼にするが「ひろしま」は珍しい。修学旅行生や観光客が路面電車で目指す原爆ドームの近くに静かなる衝撃は存在する。 〈ひろしま美術館〉 ひとりの画家をコンセプトに造られた美術館は多い。だが、たった一枚のタブローのために構…
野球の国際大会『プレミア12』を追いかけて愛知県に来た。2024年の11月9日と10日。今年は野球場、温泉、美術館が旅の3点セット。新宿から深夜バスに揺られ、快晴の早朝6時前に豊田市に到着。マクドナルドで時間を潰し、豊田市美術館に向かった。 豊田市美術…
東京都の府中市美術館は2010年10月の開館。2000点ほどの収蔵品の中から常設展示を行い、その多くが日本の絵画。市制施行70周年を記念して『アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界』が2024年9月21日から12月1日まで開かれた。 府中駅から徒歩20分。閑静な住宅…
高速バス夢街道会津号に揺られ新宿から4時間半。バスは10分遅れで猪苗代駅に到着。諸橋近代美術館への会津バスに間に合った。ここから25分。山道を縫って走る。 チュッパチャプスの水玉模様のような小雨が降る諸橋近代美術館。この日は雲に隠れていたが雄大…
美術館は土地というカンヴァスにどんな建物を描くかの空間アートである。スケールは大きな重力だが、時に弊害になることもある。狭い茶室の座布団に宇宙が宿るように、町の小さな美術館が都会を圧倒する。大事なのはスケールではなく密度。 美術館は川のほと…
大阪中之島美術館は19世紀後半から21世紀までの近代・現代美術の約6000点を所蔵するミュージアム。僕が生まれた1983年から構想され、経済難などを乗り越えて2022年2月2日の開館。40年近く待ち侘びた大阪民は多い。所有は大阪市。 美術館までの道のり 外観と…
ポーラ ミュージアム アネックスはポーラ銀座ビル3階にあるギャラリー。銀座一丁目という一等地でありながら、すべての企画展を無料で開放している。銀座一丁目駅を出てすぐだが、新宿から乗り換えが面倒くさい。山手線で有楽町駅まで行き8分歩く。 マティス…
「モネが好きなら行ったほうがいいっすよ。俺もたまに行くんすよ」。そんな会話を表参道の前前職の上司としてから6年かかってしまった。 クロード・モネ《睡蓮》1907年 新宿からポーラ美術館に行くには小田急線と箱根登山鉄道を乗り継ぐか、バスタ新宿から小…
韓国の釜山に行くと様々なパブリック・アートに出逢える。美術館や釜山博物館に行かなくてもいい。忙しい観光の途中に少し足を止めてアートに触れて欲しい。街の風景を愉しみ、行き交う人々に耳をすませながら、無料でアート鑑賞ができる。 金海(キンメ)国…
尾崎豊は『Freeze Moon』で歌った。俺たちの真夜中の翼はボロボロになっちまう。そんな翼を慰めるものが都会にあるのか。 槇文彦がでデザインを手がけた恵比寿東公園トイレはイカをイメージして作られた。しかし、イカはイカでも翼を広げたイカロス。 トイレ…
美術館を訪れたのは2年ぶり。江戸東京博物館「冨嶽三十六景への挑戦 北斎と広重」以来だった。昨年にポッカリ空白を作ったのは緊急事態宣言のせいでゴッホ展に入場制限がかかり、チケットを入手できなかったから。怨みつらみで美術への興味が消火されつつあ…
"> ">新宿に住んでいると石を投げれば人にあたり、映画館も美術館もごった返している。あたかも日本は映画ブーム、美術ブームと錯覚する。たった一街の熱狂、24h流行しかない街。他の地域と乖離しすぎている新宿はコンクリートの村。大都会の田舎である。ゴ…
文章を習っている仲間が2024年12月に伊豆松崎町で映画の上映会を行う。文章の先生がトークショーを行うので、会場の下見に同行。新宿駅9時25分発の踊り子号に乗って伊豆急下田駅へ。刺身定食を頂き、東海バスで松崎のバス停を目指す。 伊豆の長八美術館 岩科…
バスは安定の1時間半遅れで下諏訪駅に到着。4年前の秋に諏訪湖の黄昏とトワイライトを見に来たときも1時間半遅れた。外国より時間感覚が酷い。唯一の救いは天気は良いがそこまで暑くないこと。湖風のおかげだ。 ハーモ美術館までの道のり ハーモ美術館の外観…
ジャコモ・マンズー《恋人たち》1977 名画を所蔵していても良い美術館とは限らないが、良い美術館にある絵画は名画である。目利、空間デザイン、展示が卓抜しているからだ。作品だけではなく空間、美術館もアーティスト。それを教えてくれるのが福岡市美術館…
スポーツニッポンの校閲部でアルバイトしていた2014年から2016年までの3年間、東京駅は毎日の通勤駅だった。新宿から中央線で東京駅、京葉線に乗り換えて越中島へ。駅構内の移動が1キロ近くある巨大迷路。東京駅は人生の大事な中継点。 ミュージアムタワー京…
奈良出身の田舎者なのに白金台に住む女性から好意を持たれることが2回あった。ひとりは名古屋出身の会社の上司。よくご飯に誘ってくれ、エヴェレストに行くため会社を退職したときは山の生活を詳しく調べ、大量のボディシートをくれた。かつては映画記者で泣…
日本の美術館は二つに分かれる。アートを鑑賞する場所、アートを保管する場所。ひろしま美術館や東京富士美術館、山形美術館が前者。常設展示室が充実しているからだ。そのほかは所蔵品(コレクション)を買ったものの、自館での展示は少なく、ほとんどがレ…