アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

アート本

原田マハ「ジヴェルニーの食卓」〜言葉が絵になる瞬間

著者:原田マハ 出版社:集英社 発売日:2015年6月30 ページ数:288P あらすじ 4編からなる短編集。うつくしい墓/エトワール/タンギー爺さん/ジヴェルニーの食卓。モネ、マティス、ドガ、セザンヌ。4人の画家と生きた女性の視点を主人公に、絵描きが何と…

『月と六ペンス』〜狂熱の美学、月光の羅針、六ペンスの重力

著者:サマセット・モーム 出版社:新潮文庫 発売日:2014年(初版は1919年) ページ数:378ページ 1919年に刊行された、サマセット・モームの代表作にして、アート小説の金字塔。主人公チャールズ・ストリックランドは、平凡な中年の株式仲買人。家庭を捨て…

『いちまいの絵 生きているうちに見るべき名画』、原田マハ〜美術館で、絵はいまを生きる

著者:原田マハ 出版社:集英社新書 発売日:2017年06月21日 ページ数:253p あらすじ 原田マハが自身の人生に影響を与えた絵画、美術史の転換となった絵画26枚を紹介する。 アヴィニョンの娘たち(パブロ・ピカソ) 秘儀荘「ディオニュソスの秘儀」(作者不…

原田マハ『楽園のカンヴァス』〜アートの沈黙が、愛の言葉に変わるとき

著者:原田マハ 出版社:新潮文庫 発売日:2014年7月1日(単行本は2012年) ページ数:440ページ 表紙:アンリ・ルソー《夢》 あらすじ 美術館で働く女性学芸員・早川織絵は、ある日スイスの大富豪コレクターであるコンラート・バイラ―からの招待を受け、幻…

原田マハ『常設展示室』絵に出会うたび、少しずつ前の自分を手放していく

著者:原田マハ 出版社:新潮文庫 発売日:2021年11月1日(単行本は2018年11月22日) ページ数:237ページ 表紙カバー:フェルメール《デルフトの眺望》 美術館に佇む“常設展示室”。華やかな特別展の影に隠れがちなその空間には、時を越えて人々の心を動かし…

原田マハ『〈あの絵〉のまえで』美術館という日常の祈り、絵に寄り添い、絵に寄り添われる

著者:原田マハ 出版社:幻冬舎文庫 発売日:2022年12月10日(単行本は2020年) ページ数:206ページ 表紙:クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》 あらすじ 日本各地の美術館に収蔵された名画をモチーフにした6つの短編小説からなる作品集。登場す…

岡本太郎『美の呪力』〜アートの始原と終焉、怒りと森と太陽のあとで

著者:岡本太郎 出版社:新潮文庫 発売日:2004年(単行本は1971年7月) ページ数:279ページ 世の中が大阪万博のお祭りムード、見せ物気分に浮かれているなかで、《太陽の塔》という人間の深みを世に放った岡本太郎が、1年後に記した美術書。 万博の夜空に…

岡本太郎『今日の芸術』〜爆発する自由、アートの宣戦布告

著者:岡本太郎 出版社:光文社 発売日:1999年(単行本は1954年) ページ数:258ページ 岡本太郎が語る「アートの哲学書」。語り口は、理論でありながら啓発。丁寧語で綴られ、平易な言葉、明快な論理、強烈な感情で貫かれ、読む者を鼓舞する。「芸術家にな…

原田マハ『暗幕のゲルニカ』〜芸術という導火線、物語という闘い

著者:原田マハ 出版社:新潮文庫 発売日:2018年7月1日(単行本は2016年) ページ数:510ページ 表紙:パブロ・ピカソ《ゲルニカ》 20世紀を代表する絵画、ピカソの〈ゲルニカ〉。国連本部のロビーに飾られていたタペストリーが、2003年のある日、突然姿を…

『Contact art : 原田マハの名画鑑賞術』〜ラブレターは、絵のかたちをしていた

著者:原田マハ 出版社:幻冬舎 発売日:2022年10月26日 ページ数:192p 原田マハが日本全国の11の美術館を巡り、ミレー、モネ、ルソー、セザンヌ、ウォーホル、東山魁夷、草間彌生などの18の絵と画家と対話しながら、自らのアート鑑賞術を語る一冊。WOWOWで…

原田マハ『モダン』〜破局の時代にこそ、美は立ち上がる

著者:原田マハ 出版社:文春文庫 発売日:2018年4月10日(単行本は2015年) ページ数:183ページ 表紙:アンリ・マティス《ダンス》 マンハッタンにあるモダン・アートの殿堂、ニューヨーク近代美術館(MoMA)。アンドリュー・ワイエス《クリスティーナの世…

原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』〜絵は「友だち」になれるのか

著者:原田マハ 出版社:新潮文庫 発売日:2020年1月1日(単行本は2016年9月) ページ数:133ページ 原田マハ『デトロイト美術館の奇跡』は、財政破綻したアメリカの都市デトロイトで、市の資産として売却の危機にあった美術館の名画を守るために、市民や団…

原田マハ『ゴッホのあしあと』正しさよりも、美しさを

著者:原田マハ 出版社:幻冬舎文庫 発売日:2020年8月10日(新書版は2018年5月) ページ数:169ページ 画家・ゴッホを愛してやまない原田マハが、南仏アルル、サン=レミ、オーヴェル=シュル=オワーズなど、ゴッホが歩いた地を巡りながら、その魂と作品を…

原田マハ『リボルバー』〜タブローと心中し、暴発する作家

著者:原田マハ 出版社:幻冬舎文庫 発売日:2023年7月10日 ページ数:353ページ パリのオークション会社に勤務する高遠冴のもとに、ある日、錆びついた一丁のリボルバーが持ち込まれた。それは、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが自殺に使用したとされる銃だ…

7つのヴェールを剥ぐ者─原田マハ『サロメ』が描く美と闇

「やわらかな霧雨がヴェールになってしめやかに街を覆っていた」 原田マハは、物語の書き出しが秀逸である。名画のように一瞬にして、その世界に読み手を引きずり込んでしまう。一目惚れさせる。 原田マハは卓越した絵の鑑賞者であり、卓抜した物語の書き手…

異邦人(いりびと)原田マハ〜おすすめアート本

著者:原田マハ 出版社:PHP文芸文庫 発売日:2018年03月22日 ページ数:421p あらすじ 画廊の専務・篁一輝と結婚した有吉美術館の副館長・菜穂。出産を控えて東京を離れ、京都に長逗留している。妊婦としての生活に鬱々とする菜穂、気分転換に出かけた老舗…

美しき愚かものたちのタブロー、原田マハ〜おすすめアート本

著者:原田マハ 出版社:文藝春秋 発売日:2019年05月 ページ数:441P あらすじ 日本に美術館を造りたいという夢を追いかけ、生涯を懸けた松方幸次郎や日置三郎を主人公とした国立西洋美術館の誕生を描いたアート小説。美術館のために収集し、第二次大戦の敗…