アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

白髪一雄《天空星急先鋒》〜血と闘志のカオス絵巻、カンヴァスはリングだ

白髪一雄《天空星急先鋒》

  • 作者:白髪一雄
  • 制作:1962年
  • 寸法:182×272.4 cm
  • 技法:油彩・布
  • 所蔵:兵庫県立美術館

《天空星急先鋒》は、天井から吊るしたロープにつかまりながら足を滑らせて描く技法「アクション・ペインティング」で知られる白髪一雄の油彩画。現在、兵庫県立美術館の常設展示室で観られる。

中国の「水滸伝」の登場人物108人をタイトルに冠した全108点のシリーズの1つ。作品名の「天空星急先鋒」は、『水滸伝』の豪傑の一人・索超(さくちょう)の通り名。索超は短気で勇猛な人物として知られており、白髪一雄は強烈なイメージを表現した。

近づいて見ると、筆跡は暴力的でありながらリズムを持っている。赤い血管のような曲線がうねり、黒い線がそれを鞭打つように交差する。ここには秩序なんてないように見えるのに、目は自然と中心に引き込まれていく。混沌が渦を巻き、そこに自分の感情までも飲み込まれる。

絵画レビュー:血潮のシンフォニー

白髪一雄《天空星急先鋒》1962年

白髪一雄《天空星急先鋒》1962年

凹凸の嵐。戦争で飛び散った血液が凝固し、朽ちずに成長した姿のよう。成仏できずに、この世を彷徨っている。赤と黒と茶がぶつかり合い、格闘技をしている。リング上で、画家と絵の具が一晩中殴り合ってきた痕跡。

f:id:balladlee:20250808204139j:image
乾いているのに、潤っている。刀のように鋭い血流。本能的なのに知性的。理屈じゃなく、体で受け止めるタイプの絵。頭で考えるより、胃袋や心臓が先に反応してしまう。この爆発感は観る人を元気にする。

白髪一雄の作品が観られる美術館

アーティゾン美術館(東京)

白髪一雄《昏杜》1990年

白髪一雄《昏杜》1990年

奈良県立美術館

白髪一雄《作品》1961年、奈良県立美術館

日本のおすすめ美術館

東京のおすすめ美術館

神奈川のおすすめ美術館

オランダおすすめ美術館

妄想ミュージアム『エヴェレスト美術館』

ゴッホの画業と炎の伝説

ゴッホの画業と代表作

フェルメールの画業と全作品解説

ピカソの傑作絵画と画業

藤田嗣治の傑作絵画

クリムトの生涯と代表作

ジョルジュ・スーラの傑作絵画