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マリア・ファン・オーステルウェイク《装飾的な壺の花》〜一夜限りのフラワー・フェス、リボンが揺れ、運命が揺れる

マリア・ファン・オーステルウェイク《装飾的な壺の花》

  • 英題:Flowers in an Ornamental Vase
  • 作者:マリア・ファン・オーステルウェイク
  • 制作:1670年 - 1675年頃
  • 寸法:62.0×47.5 cm
  • 技法:カンヴァス、油彩
  • 所蔵:マウリッツハイス王立美術館オランダ

17世紀オランダ黄金時代のマリア・ファン・オーステルウェイクは、花の絵画で有名な女性画家。牧師の家庭に生まれ、フェルメールの故郷デルフトや1673年からは、アムステルダムで活躍した。生涯、独身を貫き、国際的な名声を得た。

この花の絵は、この花束は、タイム、カウパセリ、ラークスパー、ロンドンプライド、トリカブトなど、絵画では滅多に見られない様々な花や植物で構成されている。蓋の横には、水浴びをする古典的なヴィーナスが飾られ、上部にはヒマワリとケシが向き合っている。

絵画レビュー:ヴィーナスの隣で、花がウインクする夜

闇のなかから、スポットライトを浴びるスターたちが現れる。赤、白、黄、そしてくすんだ緑。花瓶の上で、色彩が小さなフェスを開催中だ。

主役はもちろん中央の大輪。でもよく見ると、ちょっとしおれかけた花びらや、虫食いの葉っぱが混じっている。完璧じゃないところが、逆にリアルでいい。

17世紀オランダの静物画らしく、背景はほぼ漆黒。舞台の暗転のように、余計なものを全部消して、花だけを浮かび上がらせる演出だ。

足元には小さな天使像。「美は永遠」とでも言いたげに佇んでいるけれど、隣の花は今にも散りそう。この対比が、ちょっとしたブラックユーモアになっている。

さらにリボンがひらり。優雅というより、どこか演劇的。風は吹いていないのに、ドラマは確実に起きている。

豪華なブーケは、富と教養のアピールでもあり、同時に「すべてはやがて朽ちる」というメッセージも忍ばせる。華やかなのに、どこか哲学的。

この絵は静かに咲きながら、「人生って、意外と短いよ」とウインクしてくるのだ。

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