アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

ダリ《キュビスム風の自画像》断片の迷宮に潜む若き天才

ダリ《キュビスム風の自画像》

  • 英題:Cubist-Self-Portrait 
  • 作者:サルヴァドール・ダリ
  • 制作:1923年
  • 寸法:104 x 75 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:ソフィア王妃芸術センター(スペイン)

ダリが19歳の頃に描いた自画像。

1923年から1928年にかけて、ダリの画風はキュビスムの時代に入る。そこに見えるのは、鏡なのか、カーテンなのか、それともパイプオルガンなのか。

画面の奥で、サグラダ・ファミリアのような塔の上から世界を覗き込む。『オペラ座の怪人』のファントムが、歌姫を影から見つめるようである。

その顔は、不敵に見下ろしているようでありながら、怯えてもいる。得体の知れない不気味さと、どこか憎めぬ愛嬌が同居している。

これは、崩れ落ちる世界を見下ろす眼なのかもしれない。

キュビスムとは、この世を単純な善と悪に分けることを拒み、もっと複雑で、多層で、入り組んだ響きを奏でる絵画の歌である。

ダリの自画像

ダリの傑作絵画

自画像の傑作たち

ピカソの画業と傑作絵画

フェルメールの画業と全作品解説

藤田嗣治の傑作絵画

クリムトの生涯と代表作

ジョルジュ・スーラの傑作絵画と画業

日本のおすすめ美術館

東京のおすすめ美術館

神奈川のおすすめ美術館

オランダおすすめ美術館

妄想ミュージアム『エヴェレスト美術館』