
東京には100以上の美術館があり、動員数や所蔵品のクオリティは世界屈指。日本の「美都」であることは間違いない。
美術館は、都市の雑音を遮断し、人間の感性を取り戻す「静けさの貯蔵庫」。現代人の心の余白を守るための装置である。
人が密集し、広告、騒音、情報が氾濫している東京は「音楽」よりも「無言の対話」を求める心理が強くなり、美術館がその受け皿となる。
2013年に上京して初めて訪れた東京の美術館は六本木の森美術館だった。アンディ・ウォーホル展に衝撃を受け、少しずつ美術館を巡るようになった。
12年間で巡ってきた中から、東京のおすすめ美術館を紹介する。基準は、単なる展示作品の充実度ではなく、美術館が持つ「体験」としての質、空間の流れ、作品の並び、訪れる人間に新たな世界を開かせるかどうか。それを重視して選んだ。
東京の美術館人気ランキング
| 順位 | 美術館名 |
年間来館者数 |
|---|---|---|
| 1 | 東京国立博物館(上野) | 約2,436,368人 |
| 2 | 国立新美術館(六本木) | 約2,250,758人 |
| 3 | 東京都美術館(上野) | 約1,994,206人 |
| 4 | 国立西洋美術館(上野) | 約1,374,238人 |
| 5 | 三鷹の森ジブリ美術館(三鷹) |
非公開(推定:~65万人) |
| 6 | 東京国立近代美術館(竹橋) |
非公開(推定:~40万人) |
| 7 | サントリー美術館(赤坂) |
非公開(推定:~30万人) |
※来館者数は2023年度のデータ。上位4位までの来館者数は文化庁・美術館連絡協議会等の公表統計に基づくもの。順位5位以下は公的統計未発表
おすすめの美術館を紹介する前に、年間来館者数から東京の美術館人気ランキングを発表。企画展によっても変動するが、東京の美術館人気ランキングは上のようになっている。
1位の東京国立博物館は正確には「博物館」にカテゴライズされるので、純粋な美術館としては国立新美術館の来館者数が最も多い。
今回、除外したが「チームラボプラネッツ(豊洲)」の来館者数は250万人を超えて1位になる。
美術館の評価基準
全国や海外の美術館を巡るとき、評価の基準は大きく三つの総合点で決めている。
まず最も重要なのが「卓抜」。これはその美術館が所蔵している作品の凄さである。作品の数や質、時代や地域の偏り、屋外彫刻の充実度などを含めた総合的な力。名品をどれだけ「持っているか」ではなく、どれだけ「活かしているか」が問われる。
次に「品格」。外観や展示のセンスを指す。上品であれば良いというわけではなく、その土地の文化や風景と調和しているか、展示室の壁の色や作品の高さに配慮があるかを重視する。建築、光、空気感。それらが作品と響き合ってこそ、本当の品格が生まれる。
最後に「開放」。写真撮影が可能か、作品がガラス越しでなく肉眼で観られるか、そして所蔵品を倉庫に眠らせず、積極的に公開しているかなどの点だ。美術館は作品を守る場所であると同時に、社会へと開く窓であるべきだ。
この三つの総合点によって美術館の善し悪しを判断し、さらに「美術館メシ」が加点対象となる。食の体験まで含めて芸術として成立しているかどうかも、鑑賞体験の質を大きく左右する。
日本でこの三つの基準を最も高い水準で満たしているのが「東京富士美術館」である。作品の卓抜さ、空間の品格、観客への開放性、そのいずれを取っても、日本の美術館の最高峰といえる存在だ。
東京都おすすめ美術館(常設展あり)
「また行きたい」が宿る場所─コレクションが語りかける美術館
常設展示がある美術館には、訪れるたびに“再会”がある。美術館が誇る代表作、空間、展示。初めての人も、何度も足を運んでいる人も、静かな感動が待っている。
東京富士美術館(八王子)

「初めて行くならどの美術館がいい?」と聞かれたら、迷わず東京富士美術館を勧める。ルネサンスからポップアートまで500年にわたる西洋美術の流れを網羅する、圧倒的な所蔵。世界を旅するコレクションである。

日本に存在するすべての絵画の中で頂点に立つジョルジュ・ド・ラ・トゥール《煙草を吸う男》。これを観ずに死ぬのは、あまりにも惜しい。

作品の並べ方、順番、展示の流れがコース料理のように計算されており、一枚一枚の絵画を最高の状態で鑑賞できる。本当に良い美術館とは、単なる美術鑑賞を超えた「体験」を提供してくれる。絵画ではなく体験が最大のアートであることを教えてくれる。その理想形が、東京富士美術館である。
東京富士美術館の情報
- 開館:1983年11月3日
- 住所:東京都八王子市谷野町492-1
- 設計:佐藤総合計画
- 所蔵:約3万点
- 目玉:ラ・トゥール《煙草を吸う男》
- 撮影:OK
- メシ:カフェレストラン・セーヌ
- アクセス:JR八王子駅からバスで「創価大正門東京富士美術館」下車
- 開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、展示替期間、年末年始
国立西洋美術館(上野)

2016年に世界文化遺産に登録された、日本で最も有名な美術館のひとつ。美しき愚かもののタブローたち。美術館の歴史、展示作品の年代の幅、光の当て方、光量などの調光、温度や湿度などの管理、作品の鮮度が圧巻。世界遺産に眠る名画の殿堂である。

有名画家はもちろん、あまり知られていない画家の名作も多く、アートの勉強としては東京富士美術館を上回る。

エル・グレコ《十字架のキリスト》は、国立西洋美術館の宗教画ナンバーワン。キリストを幽霊として描く。ゴーストなのに神々しい。ゴーストだから神々しい。グレコによるジーザスに捧ぐアンチェンイド・メロディ。「松方コレクション」という圧倒的な美術力、日本の美術館の底力を見せつけてくれるミュージアム。年間パスポートが欲しい美術館。
国立西洋美術館の情報
- 開館: 1959年6月10日
- 住所:東京都台東区上野公園7番7号
- 設計:ル・コルビュジエ
- 所蔵:6,000点
- 目玉:エル・グレコ《十字架のキリスト》
- 撮影:OK
- メシ:CAFÉ すいれん
- アクセス:JR上野駅「公園口」から徒歩1分
- 開館時間:9:30~17:30、金曜・土曜日 9:30~20:00
- 休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
東京国立近代美術館(北の丸公園)

東京国立近代美術館は、1952年に開館した日本初の国立美術館であり、常設展示「MOMATコレクション」では明治から現代まで、日本美術の流れを体感できる。日本近代美術の記憶装置と言える美術館だ。

都心の中心にありながら、時間がゆっくりと進む。展示、建築、食事、風景。そのすべてが静かで確かな応答になっている。東京にあるべき美術館が、まさにここにある。

レストラン「ラー・エ・ミクニ」も美術館の特権。三國清三シェフが手がける料理は、展示された作品のように繊細で奥深い。東京で一番の美術館メシ。
東京国立近代美術館の情報
- 開館:1952年(昭和27年)12月1日
- 住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
- 設計:谷口吉郎
- 所蔵:約13,549点
- 目玉:東山魁夷《道》、岡本太郎《夜明け》
- 撮影:OK
- メシ:ラー・エ・ミクニ
- アクセス:東西線「竹橋駅」1b出口より徒歩3分
- 開館時間:10:00~17:00(金曜・土曜は20:00まで)
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間
西山美術館(町田市)

東京都町田市の閑静な一角に佇む 西山美術館。金ピカの《考える人》が出迎え、一歩足を踏み入れると、日本の古刹に迷い込んだかのような錯覚を覚える。

ユトリロ、ロダン、鉱石。三本柱のなかもユトリロのコレクションは圧巻。76点を所蔵し、個人コレクションとしては世界最大。フランスのユトリロ美術館に次ぐ規模を誇る。4階と5階に広がる展示室では、「白の時代」から「色彩の時代」まで変遷を巡れる。

日本に住んでいるなら、ユトリロの《モンマルトル》は絶対に観てほしい。ユトリロの白が他の画家と何が違うのか?なぜこれほど強烈に惹きつけるのか?その答えが、この一枚にある。
西山美術館の情報
- 開館:2006年5月5日
- 住所:東京都町田市野津田町1000番地
- 設計:不明
- 所蔵:不明(ユトリロだけで76点)
- 目玉:ユトリロ《モンマルトル》
- 撮影:彫刻のみOK
- メシ:喫茶室 サロン・ド・カフェ
- アクセス:鶴川駅からバス10分
- 開館時間:11:00~17:00(入場は16:30まで)※祝日を除く金曜日は20:00まで
休館日:月曜日・火曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
岡本太郎記念館(青山)

東京・青山にある岡本太郎記念館は、「芸術は爆発だ!」の言葉で知られる岡本太郎が40年以上暮らし、制作を続けたアトリエ兼住居をそのまま公開した施設。表参道駅から徒歩8分、都会の洗練された街並みに突如現れる“岡本太郎ワールド”。

敷地内には代表作「坐ることを拒否する椅子」などが並び、力強い造形と色彩が来館者を迎える。館内では、当時のまま残されたサロンやアトリエに加え、2階の展示室で絵画や彫刻、デザイン作品が展示され、岡本の哲学や人間への問いが伝わってくる。

展示は「愛」「神話」「至上命令」などテーマ性の強い作品が多く、見る者に“自分はどう生きるのか”という問いを突きつける。そして庭には南国のような植栽の中に彫刻が点在し、まるで生命体のように息づいている。
岡本太郎記念館の情報
- 開館:1998年5月7日
- 住所:東京都港区南青山6丁目1−19
- 設計:坂倉準三
- 所蔵:不明
- 目玉:《坐ることを拒否する椅子》
- 撮影:OK
- メシ:ア・ピース・オブ・ケイク
- アクセス:表参道駅から徒歩8分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
- 休館日:火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/28~1/4)及び保守点検日
東京都現代美術館(清澄白河)

東京・清澄白河にある東京都現代美術館(MOT)は、1995年に開館した現代美術専門のミュージアム。柳澤孝彦による建物は、自然光を取り込む静謐な構造美。表情豊かな外観と内観が、都市の中に静かに広がる「美術の風景」をつくり出している。

最寄り駅の清澄白河駅から徒歩約9分。木場公園の緑を抜けると、都市のざわめきから切り離されたような凛とした空間が姿を現す。館外にはリチャード・ディーコン《カタツムリのようにB》やアンソニー・カロ《発見の塔》といった野外彫刻が点在し、水と石とアートが呼応する“都市の彫刻庭園”が広がる。

「水が空を映し、彫刻が時間を止め、石が都市の記憶を抱く」。MOTは、アートと都市の呼吸が交差する、東京における静かな精神の拠点である。
東京都現代美術館の情報
- 開館:1995年3月18日
- 住所:東京都江東区三好四丁目1番1号
- 設計:柳澤孝彦
- 所蔵:約6,000点
- 目玉:草間彌生《自殺した私》
- 撮影:不可(一部OK)
- メシ:木のスプーン、二階のサンドイッチ
- アクセス:半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※金曜日は21:00までの場合も
- 休館日:月曜日、展示入れ替え期間
空前絶後のアート本、登場!

美術館に行く前に読むと、絵の見方が180度変わります。『アートは燃えているか、』は、図版なしで名画をめぐる“言葉の美術館”です。絵を観る天才が何を語るのか、その眼で確かめてください。
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東京都おすすめ美術館(企画展のみ)
一度きりの奇跡─その瞬間にしか出会えない美術館たち
企画展のみの美術館は、季節の果実のように一期一会の体験を提供してくれる。世界中から名作が集まり、テーマが毎回変わるからこそ、観られる景色も違う。企画展に特化しながらも圧倒的な内容で観る者を魅了する美術館をセレクトした。
SOMPO美術館(新宿)

贔屓100%だが、ここだけは訪れてほしい。12年間、新宿に住み、年間パスポートを持ち続けるほど愛してやまない美術館。
常設展示室はないが、ゴッホの《ひまわり》が常にそこにある。それだけで足を運ぶ価値がある。もともとは東郷青児の作品を中心とした美術館として生まれ、今では《ひまわり》の美術館として知られるが、その原点を知るのもまた面白い。

館内は、5階から3階へと"下山"していくスタイル。企画展のセレクトも良く、巨匠の名画から、日本ではなかなか観られない「北欧展」などの特集もある。

一部屋ごとのスペースが広く、心地よく絵画を鑑賞できる。東郷青児の所蔵作品が素晴らしく、常設にしてほしいと願わずにはいられない。
新宿に来たら、ぜひSOMPO美術館へ。都会の喧騒を忘れさせる時間がある。
SOMPO美術館の情報
- 開館:1976年6月
- 住所:東京都新宿区西新宿1丁目26番1号
- 設計:大成建設株式会社一級建築士事務所
- 所蔵:約630点
- 目玉:ゴッホ《ひまわり》
- 撮影:一部のみOK
- メシ:Café Du Musée
- アクセス:JR新宿駅西口から徒歩5分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※金曜日は20:00まで
休館日:月曜日、展示入れ替え期間
東京都美術館(上野)

東京都が誇る、最強の美術館。運営が東京都という公立ミュージアム。その財力を活かし、世界的な名画を日本に呼び寄せる。企画展のスケールでは、おそらく世界一の美術館といっても過言ではない。
モネの《印象、日の出》、ブリューゲルの《バベルの塔》—世界屈指の名画を日本で観られたのは、東京都美術館の力があってこそ。他の美術館では実現が難しい規模の展覧会を、圧倒的なクオリティで開催し続けている。

展示の見せ方や空間デザインの完成度も群を抜いており、訪れるたびに「ここに常設展示室があれば」と願わずにはいられない。東京にいるなら、アートを愛するなら、絶対に訪れるべき美術館。
東京都美術館の情報
- 開館:1926年
- 住所:東京都台東区上野公園8番36号
- 設計:前川國男
- 所蔵:36点
- 撮影:不可(一部OKの場合あり)
- メシ:カフェ・アート、レスラン・ミューズ
- アクセス:JR上野駅「公園改札」より徒歩7分
- 開館時間:9:30~17:30(入場は17:00まで)※金曜日は20:00まで
- 休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、展示入れ替え、年末年始
国立新美術館(六本木)

建築そのものが展覧会と言っていいほど、黒川紀章が設計した外観、内観が素晴らしい。常設展示室がなく、企画展と公募展のみの東京を代表する美術館。
かつては、ムンク《叫び》やルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》、カラヴァッジョ《キリストの埋葬》など海外のスーパースターの展覧会を開くほど企画力が高い。

六本木という都市の喧騒の中にありながら、静けさと憩いの時間が流れている。室内にいるのに、庭園にいるような開放と安らぎがある。
国立新美術館の情報
- 開館:2007年(平成19年)1月
- 住所:東京都港区六本木7丁目22−2
- 設計:黒川紀章
- 所蔵:なし
- 撮影:OK
- カフェ:サロン・ド・テ ロンド
- アクセス:千代田線「乃木坂駅」直結
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※金曜、土曜は20:00まで
- 休館日:火曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
アーティゾン美術館(京橋)

東京駅の八重洲中央口から歩いて5分のアーティゾン美術館。異様なほど美のブラックホール。圧倒的な企画力と展示力で他館を上回る。格が違うとはこのこと。

壁の間隔、導線、作品と対話する余白。展示空間は、静謐ながらもダイナミック。

最も実物を観ないといけないアート。これをピカソの最高傑作と言われても首を横に振らない。油絵だけでなく砂や新聞紙を使っている。色や形ではなく質感の絵画。ゴッホの凸凹とは明らかに違う。もっと儚く繊細で力強い。ピカソがピカソである理由を見せつけてくれる。
アーティゾン美術館の情報
- 開館:1976年6月
- 住所:東京都中央区京橋1丁目7番2号
- 設計:日建設計、TONERICO、廣村デザイン事務所
- 所蔵:約2800点
- 目玉:藤田嗣治《ドルドーニュの家》、パブロ・ピカソ 《ブルゴーニュのマール瓶、グラス、新聞紙》
- 撮影:OK
- メシ:ミュージアムカフェ
- アクセス:JR東京駅から徒歩5分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※祝日を除く金曜日は20:00まで
- 休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
三菱一号館美術館(丸の内)

1894年(明治27年)、英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された三菱一号館を忠実に復元した明治の洋館。外観だけでなく、内部もクラシックな雰囲気が漂う。美術館としてのテーマは19世紀末の美術。

フランス印象派やエコール・ド・パリ、ラファエル前派など、19世紀から20世紀初頭の西洋美術を中心に所蔵。常設展示室はなく、特別展ごとにテーマが変わる。
三菱一号館美術館の情報
- 開館:2010年4月6日
- 住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
- 設計:ジョサイア・コンドル
- 所蔵:約1,000点
- 目玉:ロートレック《ディヴァン・ジャポネ》
- 撮影:一部OK
- メシ:カフェ1894
- アクセス:JR「東京駅」丸の内南口より徒歩5分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)※祝日を除く金曜日は20:00まで
- 休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
松岡美術館(白金台)

創設者の松岡清次郎のコレクションは凄まじい。残念ながら常設展示は彫刻だけで貴重な絵画を観られるのは一部。紀元前のギリシア彫刻、古代の中国の彫刻など古今東西のアート作品が揃う。

もう少し絵画に力を入れて常設展示を行えば、たちまち東京のアート・スポットになる。
松岡美術館の情報
- 開館:1975年11月25日
- 住所:東京都港区白金台5-12-6
- 設計:入江三宅設計事務所
- 所蔵:約1,800点
- 目玉:ヴラマンク《スノンシュ森の落日》
- 撮影:OK
- メシ:なし
- アクセス:白金台駅1番出口から徒歩7分
- 開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)※祝日を除く金曜日は20:00まで
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、展示入れ替え、年末年始
東京都庭園美術館(白金台)

東京都庭園美術館では、吉田茂元首相の公邸や国の迎賓館として使用された旧朝香宮邸を活用した美術館。アール・デコ様式の建築とともに、美術と建築の融合を体感できる施設。絵画や彫刻などが目玉ではなく、建物や庭園がアート空間になっている。

西洋的な庭園の開放感、日本庭園の静謐な風景、茶室の精神性という、異なる美の世界を一度に味わうことができ、それぞれの空間が補い合い、美術館全体に豊かな奥行きを与えている。カフェ「TEIEN ART MUSEUM CAFE」は、庭園を眺めながらゆったりと過ごせる空間で、必ず立ち寄りたい。
東京庭園美術館の情報
- 開館:1983年10月1日
- 住所:東京都港区白金台五丁目21番9号
- 設計:権藤 要吉
- 所蔵:不明
- 目玉:西洋庭園、日本庭園
- 撮影:OK
- メシ:TEIEN ART MUSEUM CAFE
- アクセス:JR「目黒駅」東口より徒歩7分
- 開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
- 休館日:月曜日(祝休日の場合は翌日休館)、年末年始
森美術館(六本木)

森美術館は2003年10月18日、東京・六本木ヒルズ森タワーの53階に開館した現代美術専門の美術館。地上約230メートルの高さから東京の街を見下ろす絶好のロケーションにあり、六本木駅直結の好アクセス。東京の都市景観が一望でき、時間帯によっては、夜景と東京タワーのアートを楽しめる。

日本の美術館で初めてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを導入し、写真撮影を許可した先駆的な存在でもある。2009年の「アイ・ウェイウェイ展」では、撮影した写真の非商用利用を認める「CC BY-NC-ND」ライセンスを採用。美術館という空間を、鑑賞だけでなく「共有する場」へと進化させた。この方針は、後に国立新美術館や上野の森美術館などにも影響を与え、美術館の新しいあり方を切り拓いた。
森美術館の情報
- 開館:2003年10月18日
- 住所:東京都港区六本木6610−1 六本木ヒルズ森タワー 53階
- 設計:リチャード・グラックマン
- 所蔵:約490点
- 目玉:常設展なし
- 撮影:OK(一部不可)
- メシ:THE SUN & THE MOON
- アクセス:大江戸線「六本木駅」かあ徒歩5分
- 開館時間:10:00~20:00(入場は19:30まで)※火曜日のみ17:00まで
休館日:なし
空前絶後のアート本、登場!

美術館に行く前に読むと、絵の見方が180度変わります。『アートは燃えているか、』は、図版なしで名画をめぐる“言葉の美術館”です。絵を観る天才が何を語るのか、その眼で確かめてください。
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その他おすすめ東京の美術館
【企画展次第】上野の森美術館(上野)

「一生に一度」の名画と出会える、東京の企画展モンスター。東京都美術館と肩を並べる日本屈指の企画展を開催するのが、上野の森美術館である。68万人を集めた「フェルメール展」、過去最多112万人が訪れた2012年の「ツタンカーメン展」、《夜のカフェテラス》が来日する「大ゴッホ展」など、企画力は他を圧倒する。

絵の展示はシンプルで、アート空間というより、絵を保存する美術倉庫のような場所。混雑も凄く、優れた美術館というより、「凄い絵を観るギャラリー」である。それでも我々に貴重な機会を提供してくれていることに疑いの余地はない。注目の作品が展示されるときは、足を運ぶ価値があると言える。
数年後に「行っておけばよかった」と後悔しないためにも、話題の企画展は早めにチェックを。美術館というより、「奇跡の舞台」に足を運ぶ感覚で訪れてほしい。
上野の森美術館の基本情報
- 開館:1972年4月
- 住所:東京都台東区上野公園1番2号
- 設計:中山克己建築事務所
- 所蔵:不明
- 目玉:なし
- 撮影:不可
- メシ:なし
- アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分
- 開館時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)※展覧会により異なる場合あり
- 休館日:不定休(展覧会開催スケジュールによる)
【不定期】丸紅ギャラリー(大手町)

丸紅ギャラリーは2021年11月1日に開館した企業ギャラリー。常設展はなく、企画展のみの美術館。ヴラマンクの《冬景色》やルノワール《神殿の舞》などもコレクションしているが、展示されることは希少。

不定期ではあるが、数年に一度、ボッティチェリ《美しきシモネッタ》1枚だけの展覧会を開くことがある。日本にある女性の肖像画の最高傑作であるので、企画展がある際は訪れてほしい。この1枚だけでも《美しきシモネッタ》に逢いに行く価値がある。
丸紅ギャラリーの情報
- 開館:2021年11月1日
- 住所:東京都港区南青山6丁目1−19
- 設計:不明
- 所蔵:約1300点
- 目玉:ボッティチェリ《美しきシモネッタ》
- 撮影:不可
- メシ:ヴェルテラッツァ
- アクセス:「竹橋駅」から徒歩2分
- 開館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
- 休館日:日曜日、祝日、年末年始、展示替え期間
【最後に】常設展示室への願い

東京の美術館には、もっと「常設展示室」を増やしてほしいと願っている。企画展のみの美術館では、訪れるタイミングによって満足度の差が大きくなる。企画展はあくまで「借り物の服」。いわば一夜限りの衣装替え。しかし、美術館の本質は、その館が誇る「普段着」、つまり常設展示室にこそ宿る。
日本の美術館の審美眼、収蔵作品はすごい。それを企画展中心の空間であるがゆえに、ほとんどが倉庫で眠ってしまっている。せっかく高額なお金を払って購入したのだから、常に展示してほしいと願っている。

空前絶後のアート本、登場!

美術館に行く前に読むと、絵の見方が180度変わります。『アートは燃えているか、』は、図版なしで名画をめぐる“言葉の美術館”です。絵を観る天才が何を語るのか、その眼で確かめてください。
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