アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

上野の森美術館〜行列のできるミュージアム、フェルメールもゴッホも呼ぶ、企画展の魔術師

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上野の森美術館は、フジサンケイグループ傘下の美術館。上野恩賜公園内にある美術館・博物館の中では唯一の私立美術館になっている。

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開館は1972年、運営は日本美術協会によって行われており、開館当初より、現代アートを中心に幅広いジャンルの展覧会を開催。

過去には68万人を集めた「フェルメール展」、糸杉を来日させた「ゴッホ展」、過去最多112万人が訪れた2012年の「ツタンカーメン展」など、その企画力は日本屈指。

2016年に開催された「デトロイト美術館展」では、日本では異例の「全点撮影可」の美術展として大きな話題を集めた。

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最寄り駅はJR「上野駅」で、徒歩約3分と非常にアクセスしやすい。京成線「京成上野駅」からも徒歩5分で近い。現在の建物は、中山克己建築事務所の設計で白を基調としたシンプルな構造。

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館内は1階と2階に展示スペースが分かれ、シンプルな展示。可動式の壁面を備え、企画展ごとにレイアウトを変えている。

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2006年(平成18年)には「上野の森美術館ギャラリー」を新設し、小規模展を開催している。

上野の森美術館の企画展の凄さ

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上野の森美術館は常設展示室を盛っておらず、所蔵作品も歌川広重や川瀬巴水の版画を除けば、それほど有名作品はない。

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この美術館が凄いのは、なんと言っても企画展。過去には《牛乳を注ぐ女》などが来日した「フェルメール展」や「ツタンカーメン展」といった大規模かつ話題性の高い展覧会を開催。

「大ゴッホ展」夜のカフェテラスとアルルの跳ね橋が来日

2026年にはゴッホの《夜のカフェテラス》が来日する「大ゴッホ展」も巡回する。

上野の森美術館は、日本で最も歴史ある美術団体の一つである日本美術協会(1879年創立)によって運営されていることが大きい。「ニューヨーク近代美術館展」(MoMA展)など国際展も手掛けるなど、開館当初から美術界から厚い信頼を得ており、大型展開催の下地となる組織的信用力とネットワークを有している。

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常設展を持たず展覧会収入が主要財源だが、日本人の企画展好きも財力を後押ししている。常設展示を持たないため、展示スケジュールを柔軟に調整しやすく、館内は可動壁によって多様な展示構成に対応でき、大規模な国際展にも適応可能な設計となっていることも強み。

さらに、母体がフジサンケイグループなので、メディアの宣伝力と企業の資金・技術提供も強い。海外の有力美術関係者の人的パイプ、海外のキュレーション人脈も豊富で、世界中の美術館から作品を借り受けるルートを開拓している。

ゴッホ《糸杉》メトロポリタン美術館

2019年にゴッホの《糸杉》を来日させた展覧会では、アメリカやオランダ以外にイスラエル、スイス、モナコ公国など世界10カ国・地域、27の所蔵先から作品を集めた。国際的な人脈は、展覧会の企画段階で協力者やアドバイザーを得る土壌となり、上野の森美術館がビッグネームの展覧会を開催できる。

フェルメール展やゴッホ展のような展覧会は、入場料収入、図録・グッズ販売、スポンサー企業からの協賛金によって十分な収益性が見込まれるため、リスクを負ってでも開催する価値がある。

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一方で、美術ファンから「ただ並べているだけの展示」や「狭い美術倉庫で鑑賞しているよう」「狭くて息苦い」「日本最悪の美術館」「せっかく凄い絵なのに、上美(上野の森美術館)は観る気が失せる」といった声も少なくない。

ゴッホ《夜のカフェテラス》

夜のカフェテラス》が来日する「大ゴッホ展」は観に行く予定なので、どんな展示空間になるか注目している。いずれにせよ、上野の森美術館が東京都美術館と肩を並べる企画力の凄い美術館であり、我々に貴重な機会を提供してくれていることに疑いの余地はない。

上野の森美術館の概要

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  • 開館:1972年4月
  • 住所:東京都台東区上野公園1番2号
  • 設計:中山克己建築事務所
  • 所蔵:不明
  • 目玉:なし
  • 撮影:不可
  • メシ:なし
  • アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分

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