アートの聖書

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パブロ・ピカソ《座るアルルカン》〜道化師のソネット、素顔の沈黙、仮面の下の誇り

パブロ・ピカソ《座る道化師》

  • 英題:Seated Harlequin
  • 別題:座る道化師
  • 作者:パブロ・ピカソ
  • 制作:1923年
  • 寸法:130.2 cm × 97.1 cm
  • 技法:カンヴァス、油彩
  • 所蔵:バーゼル美術館(スイス)

ピカソの「新古典主義の時代」、後期の傑作。

誰もが抱える「仮面を外した自分」、その美しさと深い存在感を、芸術に昇華した。

道化師(アルルカン)は、仮面をつけていない。道化師とは本来、他人を楽しませる仮面の存在。しかし、仮面ではなく「素顔」で座っている。

それは、笑いの裏にある沈黙。役割を脱いだ、素のままの「人間」としての道化。

視線は何かを探すように宙を見つめる。思索か、希望か、それとも逃避か。あるいは、舞台裏で静かに演技を考える役者の瞬間なのか。「笑う」ことを職業にしながら、今だけは、笑わなくていい時間を与えられている。

手は強く握らず、ただ静かに、包み込むように組まれている。拳ではなく、祈りでもなく、言葉にせず動かず、じっと世界を見つめている。

淡いピンク、くすんだブルー、グレーのような色合いがやわらかく溶け合った衣装は、「もうひとつの皮膚」のようである。「笑われた痕」のようであり、多くの哀しみも背負っている。

ピカソは道化師としての「静かな誇り」を、仮面をかぶった時間ではなく、仮面を脱いだ時間に見出した。仮面の下にある魂も、衣装のシワも、その人自身の美しさ。ピカソは「時間が見える画家」のひとりだった。

アーティゾン美術館の《道化師》

パブロ・ピカソ《道化師 》1905年

パブロ・ピカソ《道化師 》1905年

東京のアーティゾン美術館にあるブロンズ像。絵画は歴代トップクラスなのに造形まで凄い。ミケランジェロ以上に神様から才能をもらったアーティストであることが分かる。笑っていないのに笑っている。笑っているのに笑っていない。声なき声を発する。不気味さと温かさ。最初、ピカソは《皇帝の憂鬱》というタイトルを付けていた。

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