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ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠〜三菱一号館と南仏からの挑戦状

ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠〜三菱一号館

ルノワールとセザンヌ、南フランスのプロヴァンスで一緒に作品を描き、家族ぐるみの付き合いがあった画家の2人展が東京で開催。

ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠〜三菱一号館

フランスのオランジュリー美術館、オルセー美術館から、約50点が来日。ミラノ、スイス、香港、そして日本を巡回する世界展。日本では唯一、三菱一号館の開催となる。

ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠〜三菱一号館

会期は2025年5月29日から9月7日まで。フランスの人間国宝のような有名画家コンビだけあり、観覧料は2500円と強気の価格。10時の開場前には列ができ、入館するまで時間がかかる。

ルノワール×セザンヌ―モダンを拓いた2人の巨匠〜三菱一号館

最初は静物画がからスタート。その後、風景画、人物画のコーナーへと移り、2階はルドンやピカソなども展示される。

静物画

ルノワール《花瓶の花》1898年,オランジュリー美術館

ルノワール《花瓶の花》1898年,オランジュリー美術館

トップバッターはルノワールの《花瓶の花》から。色彩で楽しませてくれる。

セザンヌ《青い花瓶》1889-1890年,オルセー美術館

セザンヌ《青い花瓶》1889-1890年,オルセー美術館

隣にセザンヌ。この時点で、静物画はルノワールの圧勝を予感させる。

ルノワール《桃》1881年、オランジュリー美術館

ルノワール《桃》1881年、オランジュリー美術館

最も良かった静物画。ルノワールの博愛は人間だけでなく、人間を生かす食べ物にも注がれる。桃にも生命力を与える。

セザンヌ《わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご》1890-1894年,オランジュリー美術館

セザンヌ《わらひもを巻いた壺、砂糖壺とりんご》1890-1894年,オランジュリー美術館

隣に展示された作品。セザンヌの静物画はギャンブル。大傑作か失敗作か。そのギリギリの賭けが素晴らしい。今回、来日した静物画は、どれもイマイチだった。

ポール・セザンヌ《砂糖壺、梨とテーブルクロス》1893-1894年

セザンヌ《砂糖壺、梨とテーブルクロス》ポーラ美術館

セザンヌの静物画は箱根のポーラ美術館の所蔵がすごいので、展示されているときに行ってほしい。

ルノアール《チューリップ》1905年頃 ,オランジュリー美術館

ルノアール《チューリップ》1905年頃 ,オランジュリー美術館

これもルノワールの色彩の凄さ。背景とチューリップの赤を分けるギャンブル。この博打に大成功。花瓶の底を途中で切っている構図もすごい。花の爆発、スケール感を生んでいる。

ルノワール《いちご》1905年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《いちご》1905年頃,オランジュリー美術館

《桃》と同じく、イチゴも見事。レモンの黄色、隣の白と青の瓶が効いている。いちご白書をもう一度。その後も、静物画に関してはルノワールの圧勝が続く。

ルノワール《花》1901年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《花》1901年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《バラ》1890年頃,オルセー美術館

ルノワール《バラ》1890年頃,オルセー美術館

ルノワール《桟敷席の花束》1880年頃, オランジュリー美術館

ルノワール《桟敷席の花束》1880年頃, オランジュリー美術館

ルノワールはゴッホに次ぐ「花の画家」と呼んでいいい。

その他の静物画

セザンヌ《スープ 鉢のある静物》1877年頃,オルセー美術館

セザンヌ《スープ 鉢のある静物》1877年頃,オルセー美術館

セザンヌ《青りんごと洋梨のある静物》1873-1875 年,オランジュリー美術館

セザンヌ《青りんごと洋梨のある静物》1873-1875 年,オランジュリー美術館

ルノワール《りんごと梨》1895年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《りんごと梨》1895年頃,オランジュリー美術館

風景画

セザンヌ《シャトー・ノワールの庭園で》1898-1900年,オランジュリー美術館

セザンヌ《シャトー・ノワールの庭園で》1898-1900年,オランジュリー美術館

風景画はセザンヌの独壇場。その場の空気を伝えるには、柔らかさではなく、強度が必要だ。セザンヌの風景画は、ゴツゴツした彫刻のようで、ちゃんと空気感が伝わってくる。静物画と同じく、風景画もセザンヌの真骨頂。

セザンヌ《赤い屋根のある風景(レスタックの松)》1875-1876年,オランジュリー美術館

セザンヌ《赤い屋根のある風景(レスタックの松)》1875-1876年,オランジュリー美術館

セザンヌに多い構図。田舎者は遠くに憧れる。木々の間から遥かを遠望し、その香りを嗅ぐ。山育ちは、こんな風景ばっかりを見て育つ。最も共鳴する絵。

セザンヌ《田舎道、オーヴェール= シュル=オワーズ》1872-1873年,オルセー美術館

セザンヌ《田舎道、オーヴェール= シュル=オワーズ》1872-1873年,オルセー美術館

ゴッホ終焉の地。ゴッホが訪れる20年近く前の風景。どんよりした空気。誰も住みたいと思わない。その空気を正直に描くことが田舎への誠実。だからセザンヌの風景画には、足を止める力がある。

その他の風景画

セザンヌ《樹木と家》1885年頃,オランジュリー美術館

セザンヌ《樹木と家》1885年頃,オランジュリー美術館

セザンヌ《赤い岩》1895-1900年,オランジュリー美術館

セザンヌ《赤い岩》1895-1900年,オランジュリー美術館

ルノワール《雪景色》1875年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《雪景色》1875年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《イギリス種の梨の木》1873年頃,オルセー美術館

ルノワール《イギリス種の梨の木》1873年頃,オルセー美術館

ルノワール《海景、ガーンジー島》1883年,オルセー美術館

ルノワール《海景、ガーンジー島》1883年,オルセー美術館

ルノワール《セーヌ川のはしけ》1869年頃,オルセー美術館

ルノワール《セーヌ川のはしけ》1869年頃,オルセー美術館

人物画

セザンヌ《画家の息子の肖像》1880年頃,オランジュリー美術館

セザンヌ《画家の息子の肖像》1880年頃,オランジュリー美術館

最も展示数が多かった人物画。これも軍配はセザンヌに上がる。ルノワールは少女画において右に出る者はいないが、今回は傑作がなかった。

セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》1885-1895年,オランジュリー美術館

セザンヌ《セザンヌ夫人の肖像》1885-1895年,オランジュリー美術館

自分の妻を石膏(トルソー)のように描くセザンヌ。それがセザンヌの愛情であり、セザンヌは妻オルタンス・フィケの肖像画を24枚も描いた。

セザンヌ《庭のセザンヌ夫人》1880年頃,オランジュリー美術館

セザンヌ《庭のセザンヌ夫人》1880年頃,オランジュリー美術館

こっちはポーズをとらせている。マネキン感がない。片っ端からセザンヌ夫人の絵を見ていきたい。横浜美術館にある《セザンヌ夫人》も見事なので、ぜひ見てほしい。

その他の人物画

ルノワール《ピアノの前の少女たち》 1892年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ピアノの前の少女たち》 1892年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ガブリエルとジャン》1895-1896年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ガブリエルとジャン》1895-1896年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ピエロ姿のクロード・ルノワール》 1909年,オランジュリー美術館

ルノワール《ピエロ姿のクロード・ルノワール》 1909年,オランジュリー美術館

ルノワール《庭のガブリエル》1905年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《庭のガブリエル》1905年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ピアノの前のイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》1897年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《ピアノの前のイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル》1897年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《バラをさしたブロンドの若 い女性》1915-1917年,オランジュリー美術館

ルノワール《バラをさしたブロンドの若 い女性》1915-1917年,オランジュリー美術館

ルノワール《手紙を持つ女》1890-1895年,オランジュリー美術館

ルノワール《手紙を持つ女》1890-1895年,オランジュリー美術館

ルノワール《遊ぶクロード・ルノワール》1905年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《遊ぶクロード・ルノワール》1905年頃,オランジュリー美術館

裸婦画

ルノワール《風景の中の裸婦》 1883年,オランジュリー美術館

ルノワール《風景の中の裸婦》 1883年,オランジュリー美術館

ゴッホやモネ、ドガなど、印象派やポスト印象派と呼ばれる画家たちは、裸婦画に魅力がない。ルノワールもセザンヌも同じくである。ゴッホは裸体が苦手だと公言していたが、他の画家たちも同じだったのか。

ルノワール《長い髪の浴女》1895年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《長い髪の浴女》1895年頃,オランジュリー美術館

ルノワール《座って脚を拭う浴女》1914年,オランジュリー美術館

ルノワール《座って脚を拭う浴女》1914年,オランジュリー美術館

セザンヌ《3人の浴女》 1874-1875年頃,オルセー美術館

セザンヌ《3人の浴女》 1874-1875年頃,オルセー美術館

セザンヌの《草上の昼食》

セザンヌ《草上の昼食》1876-1877年,オランジュリー美術館

セザンヌ《草上の昼食》1876-1877年,オランジュリー美術館

レアな絵画としては、マネの《草上の昼食》のオマージュ作品も来日。

総評すると、ルノワールもセザンヌも大傑作のG1級の作品は来なかったが、G2もしくはG3級の作品が来た。ナリタブライアンとマヤノトップガンが激突した阪神大賞典のようなレース。勝利したのはアタマ差で、セザンヌだった。超有名作が来日しにくくなっているご時世だが、いつか超ビッグネームを来日させてほしい。

  • 静物画、ルノワール圧勝
  • 人物画、セザンヌ軍配
  • 風景画、セザンヌ勝利

美術館メシ

カフェ1894

三菱一号館美術館に併設するミュージアムカフェ・バー「Café 1894」では、期間限定で展覧会にちなんだメニューを用意している。

今回、食べたのが「セザンヌのりんご・クラフティ・フロマージュクリーム添え」500円。セザンヌの絵のように無機質で、味も淡白。まさにセザンヌの絵画を再現している。

三菱一号館美術館(丸の内)

【7位】三菱一号館美術館(丸の内)

  • 開館:2010年4月6日
  • 住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
  • 設計:ジョサイア・コンドル
  • 所蔵:約1,000点
  • メシ:カフェ1894
  • アクセス:JR「東京駅」丸の内南口より徒歩5分

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