
大阪市立美術館は1936年(昭和11年)に開館した公立の美術館。日本美術と中国美術を中心に、約8,700点の所蔵品を有している。

書画、仏像、陶磁器、金工、漆工芸など質と量は国内有数。特別展では国内外の名品を集めた大規模な展覧会も頻繁に開催される。

所蔵品の中には、住友家から寄贈された名品も数多く含まれており、歴史的にも価値の高いコレクションとなっている。
大阪市立美術館の魅力
開館と歴史

大阪市立美術館の設立計画は大正9年(1920年)。絵画の展示に最適な湿度が低く高台が大阪市内に見つからず、住友財閥が甲子園球場1.5倍の広さの邸宅を寄付したことがきっかけ。外壁には今も住友家の家紋がある。

2025年3月、2年半の改修工事を終えてリニューアルオープン。104億円をかけた改装のコンセプトは「ひらかれた美術館」。搬入のエレベータを増設し、休館せずとも展示物の入れ替えができるようにした。
アクセス

大阪市立美術館は天王寺公園内に位置している。最寄り駅はJRおよび大阪メトロの「天王寺駅」、徒歩約5分という好立地。近鉄「大阪阿部野橋駅」からも徒歩圏内であり、アクセスの利便性が高い。

天王寺動物園やあべのハルカスといった観光名所とも隣接しており、周辺施設とあわせて訪れることができる点も魅力。

天王寺公園の旧黒田藩屋敷長屋門(黒田門)が目印。

門をくぐると右手に日本庭園の「唐沢園」、まっすぐ進むと大阪市立美術館である。
外観

伊藤正文と海上静一が設計した建物は、昭和初期のモダンな建築様式を色濃く残している。石造りの重厚な外壁と、左右対称の整った構造が特徴的であり、時代を感じさせる威厳ある姿。正面玄関のアーチ状の装飾や、装飾を抑えた直線的なデザインは、シンプルながらも美しい外観美を形成している。
内観

大理石で構成された柱と壁面は、壮麗さと気品を併せ持ち、訪れる者の足を自然と止める。正面に伸びる大階段は、劇場のような重厚感。

常設展示室はなく、企画展示室のみ。一応は「特別展」特別して、企画展示室を旧コレクション展示室となっているが、常設展示室と呼べる代物ではない。

天井は高く、アーチ状の装飾が連なり、空間に荘厳なリズムを与えている。ステンドグラスから差し込む柔らかな光は、冷たい大理石に温もりをもたらし、光と影のコントラストが建築全体に息吹を与えている。

気品ありながら、内部は落ち着いた雰囲気が漂っており、照明や壁材のトーンも柔らかく、風格がありながら威圧感がない。大阪にいることを忘れる。

地下1階には天王寺ギャラリーがあり、公募展などが開かれる。建築、光、空気感、そのすべてが一体となった空間体験を創り上げている。
美術館メシ
ENFUSE(エンフューズ) 大阪

1階にあるカフェが「古今融合」をコンセプトにした「ENFUSE(エンフューズ)」
ガラス扉越しに見えるスッキリとした什器と整然と並ぶアイテムが、空間への期待感を高めてくれる。

高い天井と大きな窓からは自然光がたっぷりと差し込み、柔らかく壁やテーブルを照らす。時間が緩やかに流れていくような感覚に包まれ、天井の黒い配管をむき出しにしたデザインは、モダンでありながら、懐かしい趣も残す。良くも悪くも大阪感がない。

開放的なテラス席からは慶沢園を望める。
モーニングプレート1600円。プレートに美しく盛りつけられた色とりどりの野菜とスープ、トースト、そして丁寧に淹れられたカフェラテ。展示品のように洗練された佇まい。
特別展
ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢

2025年7月5日から8月31日まで『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』が開かれた。東京より先に大阪がスタートを切るのが珍しく、今後の関西のアートの発展を期待させる。この美術館に来るのは高校生以来、25年ぶり。

あの頃は絵に興味もなく、課外授業で美術レポートを書かされたのが苦痛で地獄だった。そんな男が今や年間100回くらい美術館に行っているのだから、人生は逆転ホームランのアート。今後、混雑緩和や写真撮影OKなど改良を重ねて欲しいところである。
大阪市立美術館の概要

- 開館:1936年(昭和11年)
- 住所:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1−82
- 設計:伊藤正文,海上静一
- 所蔵:約8,700点
- 目玉:上村松園《晩秋》
- 撮影:OK(特別展は不可)
- メシ:ENFUSE(エンフューズ)
- アクセス:天王寺駅から約400m(天王寺公園内)
大阪市立美術館とセットの食いだおれスポット
大阪の美術館
日本のおすすめ美術館
東京のおすすめ美術館
妄想ミュージアム『エヴェレスト美術館』