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ゴッホ《タラスコンへの道を行く画家》陽光に歌う青いシルエット、地平線が微笑む日

ゴッホ《タラスコンへの道を行く画家》

  • 英題:The artist on the road to Tarascon
  • 作者:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 制作:1888年7月
  • 寸法:48 x 44cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:カイザー=フリードリヒ博物館(消失)

アルル時代にゴッホが描いた異色の自画像。上半身ではなく、全身の自画像であり、静止しているのではなく動きの途中を描いている。

ゴッホが住んでいた「黄色い家」から、タラスコン街道を通ってモンマジュール修道院へスケッチに出かける途中。右手にイーゼル、左手にスケッチブックを持ち、麦わら帽子をかぶっている。ゴッホの影も写り、デッサンのような自画像である。

1912年にドイツのカイザー・フリードリッヒ美術館が購入したが、第二次世界大戦中に空爆を避けるため岩塩坑に避難され、そのまま行方不明となった。

絵画レビュー:ゴッホ《タラスコンへの道を行く画家》

ゴッホ《タラスコンへの道を行く画家》

光と色彩の交響詩。南仏の太陽を浴び、地面も麦畑も、帽子も、葉も、ゴールドに輝いている。黄金色に染まった大地、麦穂の海、そして木々の葉すべてが太陽の恵みを受けて輝いている。この暖かな金色の世界の中を、青い服に身を包んだ画家が歩く。ゴッホの服は青春のブルー。金色の大地と青い衣服の対比は、ゴッホが愛した補色の調和。自然と人間の魂が織りなす美しい対話である。

遠景に描かれた小さな顔に表情は読み取れない。しかし、軽やかな足取り、前向きな姿勢、そして創作への道を歩む内なる喜びが滲み出ている。それは絵筆を手に新たな発見へ向かう者だけが知る、静かな高揚感。

画家が現場へ向かう道は、ヴィクトリー・ロード。そこに世界が待っている。スケッチブックとイーゼルを携え、新しい風景との出会いを求めて歩く—その一歩一歩に、地平線は微笑む。

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