アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

ゴッホ《パシアンス・エスカリエの肖像》〜太陽と土の肖像、大地とともに生きる眼差し

ゴッホ《パシアンス・エスカリエの肖像》

  • 原題:Portrait de Patience Escalier
  • 作者:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 制作:1888年8月
  • 寸法:69×56cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:個人蔵

ゴッホがアルル時代に描いた農夫の肖像画の傑作。

パシアンス・エスカリエ(Patience Escalier)はアルル近郊の農夫で、昔、牛飼いをしていた。ゴッホからモデルになってくれと依頼して描いたもの。現在は個人蔵になっており、おそらくギリシアの大富豪ニアルコス・ファミリーが所蔵していると思われる。

ジャン=フランソワ・ミレーの《鍬を持つ男》

《パシアンス・エスカリエの肖像》は、ゴッホが憧れていた、ジャン=フランソワ・ミレーの《鍬を持つ男》をイメージして描かれた。

弟のテオへの手紙で「目の前にあるものを正確に再現しようとするのではなく、力強く自己表現するために、より恣意的に色彩を用いる」と書いている。

ノートン・サイモン美術館の一枚
  • 制作:1888年8月
  • 寸法:64.1 x 54.6 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:ノートン・サイモン美術館(アメリカ)

ゴッホは少なくとも2枚の《パシアンス・エスカリエの肖像》を描いた。一枚は、アメリカのカリフォルニア州パサデナにあるノートン・サイモン美術館に所蔵されている。

ゴッホ《パシアンス・エスカリエの肖像》

個人蔵の《パシアンス・エスカリエの肖像》は、凛々しく日焼けし、ダンディである。農夫の顔には深い皺と骨ばった手が刻まれ、労働に生きた人生が表れている。背後を覆う強烈な黄色は、太陽の力をまとわせる生命感を放っている。つば広の麦わら帽子は農村の光と土の匂いを象徴し、青い作業服と赤いスカーフの対比が、簡素な農民の姿を力強く彩っている。

神父のような眼差しには疲労と誇りが同居し、人生の深い歴史と達観がある。ゴッホは、単なる肖像ではなく、自然とともに生きる人間の姿を表現した。

 

ゴッホの花の傑作選

ゴッホの自画像

ゴッホと浮世絵

ゴッホのオランダ時代

ゴッホのベルギー時代

ゴッホのパリ時代

ゴッホのアルル時代

ゴッホ展

フェルメールの画業と全作品解説

ピカソの傑作絵画と画業

藤田嗣治の傑作絵画

クリムトの生涯と代表作

ジョルジュ・スーラの傑作絵画

日本のおすすめ美術館

東京のおすすめ美術館

神奈川のおすすめ美術館

関東おすすめ美術館

オランダおすすめ美術館

妄想ミュージアム『エヴェレスト美術館』