アートの聖書

美術館巡りの日々を告白。美術より美術館のファン。

ゴッホ《初歩き》〜未来に手を伸ばす小さな足音

ゴッホ《初歩き》

  • 英題:First Steps, after Millet
  • 作者:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 制作:1890年
  • 寸法:72.4 x 91.1 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:メトロポリタン美術館(ニューヨーク)

1889年から1890年の秋から冬にかけて、サン=レミの精神病院で自発的に入院していたゴッホは、敬愛していたミレーの模写を21点制作している。

ミレー《初歩き》1858年,ローレン・ロジャース美術館

《初歩き》もミレーを模写したもの。ミレーが絵本のようなタッチと郷愁があるのに対し、ゴッホの作品は、より未来に向かっている。

絵画レビュ:家族、全員が歓声をあげている

ミレーの絵は、光が柔らかい。家の庭はくすんだ色合い。背景の洗濯物だって、「今日も働くぞ」という日常のリズムを奏でている。ミレーは農民の営みを“生活の詩”として描いた。《初歩き》にも、その祈りのリズムが満ちている。これはドラマではなく、生活そのものの音楽だ。この場面に漂っているのは、生活に根ざした温かさである。

ゴッホになると空気が変わる。ゴッホは“親子の距離そのもの”を描いている。背景の青みがかった緑、空気に満ちる明るい光。人生のもっともささやかな前進を、静かに祝福するような光が差している。

ミレーの親子は「生活の中で歩き始める」。ゴッホの親子は「光の中で歩き始める」。色彩の温度が異なるのだ。

ミレーの世界には、農家の時間が流れている。ゴッホの世界には、人間の心が静かに灯っている。どちらの絵も声を荒げることはないが、その沈黙はそれぞれ別の方向へ伸びている。一枚は過去へ、一枚は未来へ。

ミレーが描いた過去に、ゴッホが未来を灯した。

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