アートの聖書

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ゴッホ《木の根》〜最期の朝、地面は呼吸した

ゴッホ《木の根》

  • 原題:Tree Roots
  • 邦題:木の根と幹
  • 作者:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 制作:1890年7月
  • 寸法:50.3 cm x 100.1 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:ゴッホ美術館(オランダ)

現在、ゴッホの遺作とされている絵画。死の前日の朝に描いたとされている。

《木の根》を描いた場所

2020年、当時のポストカードが発見され、ゴッホの《木の根》の場所と特定された。

ゴッホが暮らしていたラヴー旅館から近いドヴィニー通りの一角にあり、現在は多くのゴッホファンが訪れる。

絵画レビュー:ゴッホ《木の根》

ゴッホ《木の根》1890年7月

画面いっぱいに広がるのは、地表のすぐ下でうごめく世界。蜂蜜を含んだような黄土に、群青の根が蛇行し、若葉の緑が火の舌のように立ちのぼる。線は輪郭であると同時に脈拍で、厚く盛られた絵具は光を受けるたびに小さく息をする。

空も地平も消し、根だけを極端にクローズアップすることで、風景の中に立つのではなく、風景の内部に潜る。根は川に、岩に、筋肉に見えてくる

冷たい青の根、温かい黄土の地面、その間をつなぐ緑の層。冷と温、硬と柔が絡み合い、画面は絶えず「収縮と拡張」をくり返す。見ているだけで胸の奥が深呼吸する。

これから死ぬ画家の絵には見えない。ここにあるのは終わりの影ではなく、これから生きようとする意志を感じる。地面に縫いとめられた根は、上へ伸びる枝の予感であり、倒れずにもう一歩、先へという意思の形である。

 

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