アートの聖書

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パブロ・ピカソ《科学と慈愛》〜死と希望のあいだで、絶望のなかに芽吹く未来

パブロ・ピカソ《科学と慈愛》

  • 英題:Science and Charity
  • 作者:パブロ・ピカソ
  • 制作:1897年
  • 寸法:197 cm × 249.5 cm
  • 技法:カンヴァス、油彩
  • 所蔵:ピカソ美術館(バルセロナ)

パブロ・ピカソが15歳のときに描いた作品。父であり美術教師でもあったホセ・ルイス・イ・ブラスコの指導のもとで制作された。

当時のピカソは、2年前に最愛の妹を亡くしており、7歳から闘牛に熱中し、生と死の境界に強く惹かれていた。

死者に触れる男性医師、若き命を抱く女修道士の対比で描かれている。

画面全体は写実的で、静かな死の気配がただよっている。滑らかな絵肌(マチエール)のなかに、壁の染みや布のよれなどが描き込まれ、「朽ちゆくもの」の感触がにじみ出ている。ピカソは構図や色彩ではなく、「質感」の画家であることが分かる。

ベッドに横たわる女性のそばには大人が寄り添い、その傍らで幼い子どもがじっと見つめている。死にゆく者と、未来を担う者。一瞬の中に、過去と未来が同時に存在する。

死という絶望の場面に見えるが、幼児が最も高い位置にあり、希望の光を注いでいる構図になっている。ピカソは絵画によって「教会」を創造した。

《初聖体拝領》1896年、ピカソ美術館(バルセロナ)

《初聖体拝領》1896年,ピカソ美術館(バルセロナ)

ピカソが、14歳で描いた宗教画。すでに溢れんばかりの才能を見せつけている。

1年前に描いた自画像

バルセロナの美術学校に入学した頃、15歳前後で描いた自画像。上から見下ろしているが、目は哀しみに満ちている。こういうところが母性本能をくすぐるのか。

わずか5年後に、ピカソは青の時代に変貌する。

ともに1901年の自画像

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