
- 英題:Salvator Mundi
- 作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
- 制作:1499–1510年
- 寸法:45.7 cm × 65.7 cm
- 技法:油彩,木製パネル
- 所蔵: ムハンマド・ビン・サルマーン(個人蔵)
《サルバトール・ムンディ》は、青いローブのイエスが水晶玉を抱く“男性版モナ・リザ”とも呼ばれる一枚。
ラテン語で「世界の救世主」を意味し、レオ以外にもデューラーなど多くの画家が同じ構造の絵を描いてきた。
この一枚は、1500年ごろフランス王のために描かれ、チャールズ1世のコレクションに入ったあと、18世紀に行方不明となる。
次に姿を見せたのは1958年のオークション。「複製だろ」と45ポンドで売られ、誰も本物とは思っていなかった。しかし2005年、修復で状況が一変する。
「これ、レオナルド本人の可能性あり?」と世界がざわつき始め、鑑定は賛否入り乱れる混戦状態に。真筆かどうか曖昧なまま、逆に“ミステリー性”が市場の狂騒を煽った。

そして2017年、クリスティーズで約510億円の史上最高額落札。買ったのはサウジアラビアのムハンマド皇太子。だが落札後、この“世界最高額の絵画”は姿を消し、ヨットの船内に飾られたという噂を最後に、今も人前に現れていない。
真筆か、工房作か、議論は続く。疑惑とスキャンダルと天文学的価格をまとったこの絵は、すでに一枚の絵を超えた存在。《サルバトール・ムンディ》は、アート市場が生んだ21世紀最大の神話として、今日も沈黙し続けている。
絵画レビュー:神が本気で“盛った”奇跡の自撮り

どう見てもキリストがポートレート撮影にノリノリで臨んでる。髪はストレートアイロン、丁寧に伸ばしたような天使のサラサラヘア、肌は透き通るようなルネサンス美肌、服は青×金の最強カラーパレット。
これもう完全に“神のプリクラ仕上がり”である。あと2%で背景に「キラキラ加工」が入る。
左手の透明な水晶玉。あれは世界の未来が詰まったオーブ…と言われているが、現代人の目にはどう見ても「Appleが四次元向けに発売した新型ガジェット」である。たぶん課金すると時空が広がる。あれはレンズじゃなく“神のワイヤレス充電器”だ。右手で祝福を送りつつ、左手で世界をフル充電。100%になったら人類が光る。
そして右手のポーズ。「祝福のジェスチャー」と言われているが、どうしても“Wi-Fi電波、ただいま発信中”に見える。神の手からつながる聖なるネットワーク。接続された瞬間、魂にパスワードが送り込まれる。
それにしても、このキリスト、視線が強すぎる。真正面から静かに見つめているのに、あきらかに心の奥の奥の秘密まで全部知っている顔だ。
「お前、昨日ちょっと高いアイス買ったよな?」って言われてる気がする。
でもなぜかイヤじゃない。むしろ安心する。「世界の救世主に見守られながら生活する」という高級セキュリティ感。
そして何より圧巻なのはこの絵の“静かなドヤ顔”だ。
「え? 500億? 別に?」という沢尻エリカの顔をしている。
実際、オークションで約510億円で落札されたという前代未聞の値段も、このキリストの顔を見ていると「まぁそうだよね」と納得してしまうから怖い。
結論として《サルバドール・ムンディ》は、「神が全力で盛ったプロフィール写真」であり、人類史上最も“視線で全てを持っていく”絵画である。
見るたびに笑うのに、気づくと虜になっている。それがこの絵の最大の奇跡だ。
おまけ:510億円で実現可能なこと
ムンディの代わりに“シン・ジブリパーク”をもう1つ作れる。ジブリパーク建設費は約340億円。510億円なら余裕で拡張版を作れる。
世界中のスタバのフラペチーノ(約700円)を7300万杯買える。
地球上の全人類(約80億人)に“うまい棒”を6本ずつ配れる。
高級寿司おまかせ(3万円)を170万回食べられる。
東京ドームを約30年間“毎日”貸し切れる(1日1000万円)。
バチカン市国の年間予算(約200億円)の2.5倍。
プロ野球12球団の選手年俸総額をすべて払える。
ちなみに、大谷翔平は、ドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)の契約を結んでいるので、《サルバドール・ムンディ》、買えます👍
空前絶後のアート本、登場!

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レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画