
- 英題:Self-portrait Facing Death
- 作者:パブロ・ピカソ
- 制作:1972年7月
- 寸法:65.7×50.5 cm
- 技法:紙、鉛筆
- 所蔵:不明
パブロ・ピカソが1972年7月、91歳で描いた最後の自画像。タイトルは《死に直面する自画像》。肉体の終わりを目前にしながら、なお“描くこと”をやめなかった画家の最終の告白である。
ここでピカソは、自らを異世界に飛ばし、もはや人間のかたちを超えた存在として描いている。異世界モノの自画像である。
人間という殻を抜け出し、異界に導かれた魂の姿。それがここにある。顔は石のように削り取られ、目は空洞のように見開かれながらも、どこか深く燃えている。
その姿は不気味でありながら、驚くほどの生命力を放っている。ピカソが描いたのは、肉体が滅びたあとの“姿”ではなく、死を越えてなお脈打つ魂そのもののエネルギー。
死とは終わりではなく、形を変えて続く創造の時間。この自画像は、ピカソが最後に辿りついた“魂の肖像画”であり、絵画という生命が、肉体を離れても燃え続けることを示している。
なお、この作品とは別に、クレヨンと鉛筆で描かれたもう一枚の自画像が「真の最終作」とされる説もある。

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