アートの聖書

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ピカソ《二人の人物のある風景》〜大地の胎内で、アフリカとアダムのあいだ

ピカソ《二人の人物のある風景》

  • 原題:Paysage aux deux figures
  • 英題:Landscape with Two Figures
  • 作者:パブロ・ピカソ
  • 制作:1908年
  • 寸法:60 x 73 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:ピカソ美術館(パリ)

《二人の人物のある風景》は、ピカソが「アフリカ彫刻の時代」に描いた風景画。

二人の人物が描かれ、ひとりは木の根に寝そべり、もう一人は木の幹に背中を預けている。木々も岩も、葉も地面も、彫刻刀で削ったようで、物体的でありながら生命力に溢れている。同じ呼吸でつながっている。

ふたりは会話をしているようにも見えるし、互いの存在をただ感じているだけのようにも見える。輪郭は曖昧で、体と大地の境が溶けている。

人が風景に「いる」のではなく、風景が人を「生んでいる」。ふたりの人物はその呼吸の中に生まれ、また溶けていく。

色彩は温かくも閉ざされ、赤土のような褐色と深い緑が、太古の地表を思わせる。光は空から差すのではなく、内側から滲み出すようにして形を照らす。生命の内部から世界を見ているようだ。

まだ人間と自然が一体だった太古の時代。ピカソは頭の中にタイムマシンがあり、歴史をのぞく顕微鏡を持っていた。

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ピカソは70歳を過ぎてから、自身が目指した「子どものような純真な絵」の境地に達し、音楽に喩えると"童謡"の時代を迎える。70歳を超えてからの代表作《地中海の風景》は、絵画によって、太陽のエネルギーを直送している。

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