アートの聖書

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ゴッホ《アルルの女(ジヌー夫人)》〜アルルに咲く気品、頬杖の優雅さ、母なる眼差し

ゴッホ《アルルの女》

  • 原題:L'Arlésienne (Portrait of Madame Ginoux)
  • 作者:ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
  • 制作:1890年2月
  • 寸法:65.3 × 49 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:クレラー・ミュラー美術館(オランダ)

ゴッホがアルル時代に通っていた夜のカフェ「カフェ・ド・ラ・ガール」のオーナー、ジヌー家の夫人。ゴッホが住んでいた「黄色い家」の家具の手配にも協力した。

ゴーギャン《アルルの夜のカフェ》1888年、プーシキン美術館

1890年1月19日、ゴッホはアルルのジヌー家を訪問し、ゴーギャンが描いたジヌー夫人のデッサンを基に、「アルルの女」を含む一連の肖像画を描いた。《アルルの女》は全部で6枚ある。

イェール大学美術館での展示

ゴッホは、《夜のカフェ》というタイトルで、「カフェ・ド・ラ・ガール」も描いている。

当時のゴッホは「パリの女性とは異なる表現」を模索してた。この肖像画でゴッホは、ゴーギャンとの初期の共同制作の集大成として、シンプルな形と色彩の融合を表現しようとした。

ゴーギャンはこの絵を非常に高く評価し、「とても素晴らしく、とても興味深い。自分の絵よりも気に入っている」と述べている。

絵画レビュー:ゴッホ《アルルの女》

ゴッホ《アルルの女(ジヌー夫人)》1890年2月、クレラー・ミュラー美術館

服装は質素でありながら、その頬杖の姿には、どこかパリの女性のような洗練された気品が漂う。この絵に宿るのは、単なる外見の優雅さではない。

ゴッホの筆致がそっと注ぎ込んだのは、出会った人々への感謝、そして遠くにいる母への想いを重ねたような、柔らかな眼差し。

背景に広がる淡い色の振動は、日常を包み込むやさしい光のように彼女を支え、静けさの中で温もりを伝えてくる。その視線に触れると、「他者を描くこと」が同時に「自分の心を映すこと」であると気づかされる。親しみと敬意が交差する瞬間を閉じ込めた一枚。それが、この《アルルの女》なのだ。

 

その他の《アルルの女》

メトロポリタン美術館

  • 制作:1888年11月
  • 寸法:91 × 74 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:メトロポリタン美術館(ニューヨーク)

オルセー美術館

  • 制作:1888年11月
  • 寸法:93 × 74 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:オルセー美術館(パリ)

ローマ国立近代美術館

  • 制作:1890年2月
  • 寸法:60 × 50 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:ローマ国立近代美術館(イタリア)

サンパウロ美術館

  • 制作:1890年2月
  • 寸法:65 × 54 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:サンパウロ美術館(ブラジル)

個人蔵

  • 制作:1890年2月
  • 寸法:65.3 × 49 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:個人蔵(2006年に約4,033万ドルで落札)

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