
- 原題:La fillette aux nattes
- 英題:Girl-with-Pigtails
- 作者:アメデオ・モディリアーニ
- 制作:1918年頃
- 寸法:60.0×45.5 cm
- 技法:油彩,カンヴァス
- 所蔵:名古屋市美術館
名古屋市美術館が誇る少女画の大傑作。エコール・ド・パリを彩ったイタリアの画家アメデオ・モディリアーニ が第1次世界大戦のパリを離れ、南仏で描いた作品と考えられている。この時期、ジャンヌとの間に娘が生まれ、父となったモディリアーニは多くの子どもの絵を描いている。その中でも突出した名画。
細長い顔、アーモンド形の目、首の優雅な曲線。そこには、見る者を捉えて離さない、不穏な美しさがある。
半開きの口がかすかに開き、唇の間に息が宿る。紅潮した頬は、恥じらいと熱の狭間にあり、見るほどに体温が上がっていく。瞳は真っ直ぐにこちらを見つめ、挑むようでもあり、怯えるようでもある。その曖昧さ。純粋と官能の同居こそが、この絵の底に流れる本能の魅力。モディリアーニは知っていた。裸の女性が官能を語る前に、服を着た少女のまなざしが男を動揺させることを。
裸体は「形の美」だが、少女は「心の揺らぎ」そのものだった。そこでは官能は無垢であり、無垢がすでに官能を含んでいる。
背景の赤褐色は、少女の内に潜む熱を暗示し、左の青灰色はその孤独を包み込む。色は静かにせめぎ合い、画面は呼吸している。モディリアーニの線は決して乱暴ではなく、祈るように優しい。そのやさしさは、少女の脆さを守るものではなく、内側に宿る“誘惑の力”を信じる手つきでもある。
この絵の魅力は、完成された美ではない。「まだ完成していない」こと、成長の途中にあることが、美と官能の根源となっている。
《おさげ髪の少女》は、モディリアーニが描いた“目覚め”の絵である。それは性の目覚めであり、存在の目覚めでもある。少女のまなざしの中に、生命そのものの熱を見た。
そしてモディリアーニは悟っていた。少女は、裸婦よりもはるかに男を魅了する、と。
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ルノワールの少女画
モディリアーニの裸婦画