
- 原題:Le Rêve(The Dream in French)
- 作者:パブロ・ピカソ
- 制作:1932年
- 寸法:130×97cm
- 技法:油彩
- 所蔵:個人蔵
ピカソが50歳前後、「シュルレアリスムの時代」に描いた一枚。モデルは22歳の愛人マリー=テレーズ・ワルテールといわれる。多くの美術史家は、モデルの上向きの顔に、ピカソ自身のペニスを置いたエロティックな絵画だと指摘する。
1941年に購入されたときは7,000ドルだったが、1997年11月11日にクリスティーズのオークションハウスで売却されたときは4840万ドルに値上がりしていた。その後、2013年には1億5000万ドルで売却された。
絵画レビュー:ピカソ《夢》

多くの美術批評家が指摘する官能性は、この《夢》からは感じない。
燃えるような赤、深い緑、やわらかな黄。背景の暖かさとは裏腹に、女性の肌は静かに紫に染められている。
紫、それは赤と青が互いを消し合わずに、そっと寄り添ってできた色。激情と冷静が溶けあい、その先にあるやさしい平穏。
椅子にもたれ、目を閉じた女は、この世界からすこし離れている。まどろみの奥で、誰にも聞こえない音を聴いている。
その手は、お腹の上に置かれている。ふわりと包み、まだ名もない命を抱く。そこにあるのは、胎内の音。はだけた左の乳房は、心臓がある場所。命の鼓動が波打つ場所。
指は6本。奇妙に見えるその本数は、母の指の間に、小さな命がそっと自分の場所を作っている。
世界がまだ外にないとき、世界は、体の中にある。「夢」とは、眠りではなく、生まれてくるものの前兆。
この絵は、ただ眠る女ではない。ただ愛される女でもない。未来を、お腹に宿した女性だ。《夢》は、ピカソが描いた妊娠、《受胎告知》である。
ピカソが描いたのは性ではない。その先にある「生」を描いたのだ。
《赤い肘掛け椅子に座る裸婦》

- 制作:1932年
- 寸法:130 x 97cm
- 技法:油彩,カンヴァス
- 所蔵:ロンドン・テート・ギャラリー
同じ年にマリー=テレーズ・ワルテールを描いた裸婦画。顔の右半分がピカソの顔になっており、マリーにキスをしている構図になっている。
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