アートの聖書

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クリムト《アッター湖畔のウンターアッハの斜面》〜金箔の魔術師が挑んだ、風景のテトリス

クリムト《アッター湖畔のウンターアッハの斜面》

  • 英題:Bauernhaus mit Birken(Unterach am Attersee)
  • 別題:ウンターアッハの家々
  • 作者:グスタフ・クリムト
  • 制作:1916年
  • 寸法:110 × 110 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:個人蔵

クリムトが避暑を過ごしたザルツカンマーグート地方、アッター湖周辺を描いた「風景画シリーズ」のひとつ。クリムトはアッター湖畔を気に入り、何枚も絵を描いている。

この絵はクリムトが望遠鏡を覗き込んで見た風景を絵にしている。2025年11月18日にニューヨークのザザビーズが開催するオークションに出品され、落札価格が7000万ドル(約100億円)と予想されている。

もしドローンがクリムトの時代にあったら、こんな映像を撮ったかもしれない。《アッター湖畔のウンターアッハの斜面》は、湖畔の村と緑の山肌をぎっしり詰め込んだパノラマ風景。けれど普通の風景画とは違う。木々も家々も、テトリスのブロックやモザイクのパーツみたいに並び、村全体がひとつの巨大な装飾パターンに見えてくる。

画面下には湖と糸杉が並び、そこから上に目を滑らせると、赤い屋根の家々、白い教会、さらにその背後の森が“無限増殖”していく。木の葉は点描の宝石の粒、丘は緑のタペストリー。遠景に進むほど現実感よりリズム感が勝ってきて、「ここは地図アプリ?それともゲームのワールドマップ?」と錯覚させる。

クリムトは人物画で金箔や模様を貼りつけてきた“装飾の魔術師”。ここでは自然と村そのものをキャンバスいっぱいのパターンに変えている。現実の風景を描きながら、ほとんど抽象画の手前まで遊んでしまう大胆さ。

眺めていると、旅行パンフレット的な「ザ・景勝地」ではなく、自然と人の営みがひとつのビジュアル・リズムとして踊り出す。アッター湖畔は、ただの避暑地ではない。クリムトにかかれば、“模様になった楽園”になるのだ。

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